メジャーとマイナーの「深い溝」を越すには
2008.06.23 Mon
開発した商品やサービスが、ブレイクするにはどうしたらよいか? どんな会社でも、頭を悩ませるものです。そんな悩みを解決するヒントを提示してくれそうな一冊を読んでみました。マーケティングのつもりで読んだはずが、自分にとっては意外な教訓をもたらしてくれました。
「キャズム」 著・ジェフリー・ムーア 翔泳社
ハイテク製品のマーケティングについて述べた本。その業界についてはあまり詳しくないので、後半はついていくのも大変でした。
まず最初に、顧客の性格を5種類に分類しています。
1)イノベーター:新し物好き
2)アーリー・アドプター:先見性に魅せられる
3)アーリー・マジョリティ:実用性を重視する
4)レイト・マジョリティ:保守的
5)ラガード:無関心
その上で、1と2で構成される初期市場と、3と4も巻き込んでいくメジャー市場の間には、容易には越えがたい「キャズム(深い溝)」があるというのです。一時的な流行から、この溝を越えられたときに、商品がブレイクします。
キャズムを越えるには、下記のような流れをふまえます。
イ)顧客が最も苦痛に感じていることが解消できるようなニッチな市場に狙いを定める。
ロ)持てる勢力(商品のアフターサービスに至るまでの社内体制、パートナー企業との協力関係など)を総動員して、そのニッチな市場を支配する
ハ)顧客同士のつながりから広がる口コミによって、3の層に食い込んでいく
ニ)3の間で広がれば、業界標準になる
ニッチな市場の絞り込みや、その市場でのポジショニング、商品やサービス内容の特徴づけなど、細かい点に至るまで、具体的な事例をもとにしながら、溝を越えるための論理が展開されていきます。
僕は2の部類の人間で、完全にマイナー系。ですから、3や4のヒトに対して、「慎重すぎる」「官僚的」などと考えてしまう傾向があります。ですから、マーケティングというよりも、仕事上の対人コミュニケーションのヒントとして、参考になるような気がします。著者の意図とは違うと思いますが...ニッチな市場を支配して、業界標準をつくってしまうことが大切なのかもしれません。
ものづくりに携わる人間は「いいものをつくれば必ず売れる」と信じて疑わない傾向がありますが、必ずしもそうではないことが、この本を読むことでわかるような気がします。

