60年に一度!出雲大社本殿特別拝観

2008.08.04 Mon

出雲大社の本殿が約60年ぶりに公開されています。期間は4月、5月、7月、8月のうち、5度に分かれていますが、その関心の高さから、5月には拝観まで4時間待ちという長蛇の列ができました。猛暑の中ではありますが、次の公開が60年後ということを考えると、今行かないと次は見られない可能性が高い...という思いが先に立ちました。8月の拝観は、熱中症対策もあって、事前に往復はがきで申し込むことができます。(抽選で漏れることもあるそうですが、当日、受付で整理券をもらえれば、入ることができます)

出雲大社本殿拝観整理券


今回の特別拝観の人気ぶりはすごく、まず、宿泊先が出雲周辺はおろか、松江でも一杯で、仕方なく米子のビジネスホテルを予約。出雲空港からのレンタカーもかなり予約が入っていて、希望の小型車が取れませんでした。このようなことを考えると、当日は大変な混雑になるのではないかと考えて、去年の経験から、1)国道9号線を使わない 2)出雲大社の駐車場は付近が渋滞しやすく、しかも満車になることが予想されるので、徒歩7分の古代出雲歴史博物館の駐車場を利用する、という対策を考えました。これが功を奏して、午前7時45分に米子を出発して、古代出雲歴史博物館の駐車場に8時50分にとめることができました。ちょうどこの時間から車が押し寄せてきて、大社の大鳥居前ではすでに車が動けなくなっていました。

出雲大社神楽殿の注連縄


拝観時間は10時30分。かなり時間が余ってしまいました。その時間を利用して、
1)本殿の奥にある(すさのお社)で厄よけ祈願。
2)本殿の脇にある神楽殿の巨大な注連縄を眺める(コインを投げて刺さると願いが早くかなうという言い伝えもあるそうですが)
3)駐車場の近くの喫茶店で待機

出雲大社本殿拝観受付テント


拝観時間の10分前に、集合場所の本殿脇のテントに行くと、まだ10時拝観の人で一杯でした。拝観は9時30分開始と聞いていましたが、あまりの混雑に8時からスタートしたのだそうです。神職の方もかなり暑そうでした。テントで待つこと約20分。ハガキと引き換えに、特別拝観証と、本殿の説明パンフレットを受け取り、本殿へと入っていきます。ふだんは外からしか見ることのできない場所だけに、わくわくします。靴を脱ぎ、15段の階(きざはし)を上がります。本殿の周りの大床で待機しながら、短い見学時間のなかで見るべきポイントを予習します。

本殿拝観を待機する参拝客


出雲大社の現在の本殿は、1744年に建てられ、広さは約60畳あります。それまでに20数回建て替えられてきましたが、最古の神社建築様式「大社造」をそのまま残しています。柱の間隔や全体構造が、正方形になっています。

出雲大社本殿内部の図(絵はがき)


いよいよ、本殿内部を見ることに(もちろん、撮影禁止)。神職の方が簡単に説明をしてくれました。中心の「心御柱」(しんのみはしら)が直径1mの太さで力強く立っています。右手は板仕切の奥に御神座(御内殿)があり、普段はこのなかに御神体が鎮座されています。建物の中に建物があるのは、能楽堂のような感じでしょうか。御神体は、御遷座にあたり、すでに仮殿(拝殿)に移されています。面白いのは、ふつうの神社であれば南を向いているはずが、この出雲大社だけは西を向いているのです。そのミステリーは「逆説の日本史」(井沢元彦・著)の第一巻に詳しく載っています。

出雲大社本殿天井の雲(絵はがき)


天井には260年余り前に描かれた「八雲の図」が描かれています。雲は神様の乗り物とされます。「八雲」と言いながら、実際には7つしか描かれていません。事前の予想よりかなり大きく、しかも鮮やかで迫力満点。つい最近描かれたものではないかと思えるほどです。これは、年に10数回しか本殿を開かないために、腐食が進まなかったことが大きな理由ではないかと、神職の方が言っていました。それから、雲の向きが一つだけ逆を向いています。その理由はわかりません。さらに、中央の大きな雲だけに一カ所黒い部分があります。そこはダルマの目を入れるように、「心入れ」という儀式をしながら、天下太平を祈って最後に描き入れるのだそうです。神話の国・出雲ならではのミステリーたっぷりです。

板仕切の手前の畳には深いくぼみがついていました。これは牛の像が置かれていた跡だそうです。牛は豊作祈願によく出てくる動物です。

神職の方に「本殿は、何の木でできているんですか?」と聞くと「杉です」と答えてくれました。大床の拭き掃除をすると、杉の香りがするのだそうです。あの巨大な建物が、今の住宅建築ではほとんど使われない、やわらかい杉でできているのです。と、感心しきりなうちに、次の拝観客が押し寄せてきて、退散しました。

出雲大社本殿


本殿拝観後に、奉賛金をおさめました。住所・氏名を記入して、一口1000円をおさめると、絵はがきをいただきました。めったに拝見できない貴重な機会でした。行けてよかった。

出雲大社は本殿の圧倒的な存在感や、巨大な注連縄など、野太さ、豪快さが魅力です。今回、本殿の内部を拝観して、その豪快さの内側は至ってシンプルですっきりとしていることがわかりました。一つ一つに意味があって、余計なものが何もないのです。伊勢神宮に行ったときも感じますが、神様の世界はシンプルですっきりとしているのです。人生もかくあるべし、と教えてくれているのかもしれません。

出雲大社拝殿

  1. 2008/08/04(月) 15:00:00|
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