奇祭!火渡り神事@滋賀・菅原神社
2007.02.25 Sun
よくニュースで「各地の話題」として取り上げられる、火渡り神事。護摩木を燃やした後の燃え殻の上を素足で歩くシーンがよく出てきます。今回、その神事の一部始終を見て、その上で是非体験しようと思い、行くことにしました。
この日、神事が行われるのは、滋賀県野洲市の菅原神社です。JR野洲駅から「木部循環」と書かれたバスに乗り換えて10分、「江部」バス停から5分ほど歩いたところにあります。このバスが1時間に1本しか走らないという貴重な足。開始時間ならびに神事の申し込みの締め切り(午前10時)に間に合うためには9時半発のバスに乗る必要がありました。
行きのバスには、観光客らしき人は2〜3人程度に見えました。本当に、あの有名な神事は行われているのか、心配になりました。が、神社に近づくと、車で来ている人の数が多く、すでに境内は多くの人で賑わっていました。
入口右手に、その火渡り神事の受付があります。さあ、申し込もうかと思ったら、受付の横に大きな看板が立っていました。そこには「火渡り神事希望者必読のルール」が書かれていました。
一、遊びではなく厳格な神事である
一、申し込みは自由であるが自己責任である
一、神威を信じ精神を統一して歩くこと
一、話の種子にするために歩くのは邪心である
一、神事に傷害保険はない自己負担
一、酒気は天神が喜ばない行為である
…よく読んで納得の上、申し込んでください
ん?これはひょっとして自分は4番目に該当してしまうのではないか、とたじろぎました。追い討ちをかけるように、「火渡り神事への参加は自己責任でお願いします」とのアナウンスが流れます。が、目の前で明らかに観光で来たおばちゃん達がガンガン申し込んでいるのを見て、「この人たちには負けられない」と変な敵愾心を燃やして申し込むことにしました。先着150名。住所と電話番号、名前を書いて、1500円払えばOK。引き換えに「足型守」(あしがたふ)を授かりました。
午前10時になると、神事が始まります。ここからしばらくは神事らしく、神楽の奉納や祝詞奏上、玉串奉天、来賓の挨拶などがあります。ユニークなのは、国家鎮護から商売繁盛、無病息災まで、様々な祈願の特別串や護摩木を一気に焼くところ。今年は乾燥しているせいか、きれいな白い煙が上がりました。火の勢いが激しく、この燃えかすの上を歩くのは、とてつもなく熱そう...さらに、宮司からのあいさつでは「ここの火渡り神事は、他と違って、水をかけたりしません。中途半端な気持ちでは決して参加しないでください」とダメ押しのように言われました。大丈夫かなぁ。

この神事では、宮司が大活躍です。境内のアナウンスによると、この宮司さんは伊勢神宮や日吉大社などといった名門神社で約30年修行を続けて、地元の神社に戻ってきたということです。そのせいか、荒行に対する免疫があるというか、気合の入り方がすごい。何のウォームアップもなく冷たい水をかぶり(寒水行)、他の参加者に先駆けて火渡りをします。
さてさて、2時間に及ぶ神事の最後に、火渡りが行われます。護摩木の燃え殻は、幅3m、長さ4m(くらいだったと思います)の広さに整えられます。深さは10センチあるでしょうか。燃え殻から火が出ることはありませんが、ところどころから煙がシュワッと出ています。
先頭を切って宮司が渡りました。続いて、地元の氏子をはじめとした150人の参加者が次々と渡っていきます。最初は受け付け順に渡っていきますが、途中からは全く関係なくなります。僕はグズグズしているうちに、最後に近い順番になってしまいました。素足になり、ズボンの裾をひざ下までまくり上げて列に加わります。この日は気温が低く、日差しは暖かいのですが、足元を通り抜ける風は冷たかったです。境内の小さな砂利石も、足の裏にめりこんで、じんわりと痛みます。

さて、自分の番がやってきました。神職からは「下を見ないで、まっすぐ前を向いて歩いてください。背中をたたいたら、スタートしてください」と指示されました。まもなく、ドン、と背中をたたかれます。アドバイスのとおり、前を見て3歩進んだところで、足の裏が急激に熱くなりました。思わず「アチッ!アチッ!」と叫んでしまいました。本当に熱かったです。そう、僕は手の皮が薄いのか、敏感なのか、熱いものを触るのが苦手です。それが足の裏についてもそうなのかもしれないと感じました。あるいは、精神統一がまだまだ足りないのかもしれません。
燃え殻を渡った先には、ちょうど両足が乗るくらいの大きな硯があります。足の裏についた炭を落として、硯にのり、自分の持ってきた「足型守」に乗ります。自分の名前の両脇に足を乗せます。手形ならぬ足形です。うーん、ちょっと美しくないですねぇ。
自分の足形の入った「足型守」を居間か寝室に飾れば、その年の無病息災がかなうといいます。あまり部屋の景観にはよろしくないような気がしますが、とりあえず寝室に置こうかと思います。
足形をとったところで、あとは境内の脇にある冷水で黒ずんだ足の裏を洗います。この冷水がまた冷たい!持ってきたタオルでふいて、靴をはくときには、足の指がすっかりかじかんでました。
お祭りが終わったのは12時半。最寄り駅に向かう一時間に一本のバスは12時37分発ということで、そそくさと神社を後にしました。バスに乗って一息つくと、熱さと冷たさと、砂利の食い込みに耐えた足の裏にはジンジンとした鈍い痛みを感じました。が、気がつけば、昨夜からうっすらと感じていたのどの痛みが取れていました。










