2005.07.16 Sat
夏の訪れを告げる京都の風物詩・祗園祭に初めて行きました。このお祭りは7月1日から1ヶ月間、曜日に関係なくスケジュールがかっちり決まっています。祗園祭の見せ場は、17日の山鉾巡行とその前日の宵山、24日の花傘巡行…ということで、今年はすべて土日にあたります。この機会を見逃す手はない!ということで、50万人を越える人出にもみくちゃになりながら、歩きまくりました。
この日は宵山と言って、32基の山鉾が展示されました。山鉾とは、カートつき巨大みこしと考えればわかりやすいでしょうか、かつぐのではなく、縄で引っ張ります。山鉾には、しこ名のようにひとつずつ名前がついていて、その名前の最後に「山」か「鉾」がつきます。名は体を表すようで、大型が「鉾」、小型が「山」と見ればほぼ間違いないということです。大きさは中型トラックくらいで、高さが巨大アンテナつきダブルデッカー、というイメージが一番具体的かも。
午後5時。阪急電車で烏丸駅に着くと、そこはすでに見物客でホームからはみ出そうな混雑ぶり。ブームも手伝って、結構いい確率で浴衣を着て歩く人を見かけました。コスプレみたいなもんですが、お祭り気分を盛り上げるにはいいですよね。地下駅から地上に上がるとすでにヒューヒューという笛の音と「コンチキチン」という鐘の音がリズミカルなハーモニーとなって聞こえてきます。おおー、やってるやってる。ここですでにお祭り気分が盛り上がります。
この日は烏丸通りから西、四条通を中心に南北に広がるエリアに、32基の山鉾が路上駐車をして、明日の本番を前に観光客にその雄姿を披露します。それぞれの山鉾の周りには必ずテントがあって、粽(ちまき)などや手ぬぐいなどのオリジナルグッズを販売されていました。関係者の子供たちが京都弁で一斉に「粽どうですか、手ぬぐいどうですか」などと観光客に声をかけます。粽を買った人に鉾の中を見せるという特典を用意するところもありました。
山鉾は、町衆が自治組織を核にして、スポンサーをつけたりしながら、長い長い年月をかけて豪華な装いを身につけ育ててきました。今では「動く美術館」として世界的な評価もされてきているということです。それぞれには、聖徳太子や天照大神にちなんだネーミングやご神体を祀って、側面には必ずと言っていいほどインドや中国、ペルシャ(イラン)の刺繍や絨毯がかかっていました。これは鎖国の時代に入手されたものが多く、それらの品がいかに貴重であったかを物語っています。
山鉾のそばには、それを支えてきた伝統的な町家があって、その入口に家宝が並べられます。家宝は江戸時代の掛け物や打ち掛け、屏風などで、確かに並べてみるだけで壮観。「この湿気の多い暑い時期にわざわざ一般公開することが、京都人としての心意気なんや」と話す人もいました。伝統と文化、ここにはお金で買えない世界がみなぎります。
「岩戸山」という大きな山鉾に、拝観料300円を払って入ってみました。内装は御神輿のように金ぴかでゴージャス。お囃子方が座る二階部分に上がってみると、これがなかなかスリルがあることがわかります。取っ手や手すりがない!つまり高さ5メートルはあろうかという二階部分に、暴走族の箱乗り状態で座り、手には鐘や笛を持つわけです。車が揺れて落ちることはないのかと、少し心配になってしまいます。明日の山鉾巡行には、6畳くらいの床面積に、交代要員を含めて40人が乗り込むのだそうです。ひゃー、狭い!
山鉾以外で面白かったのは、沿道のお店が一斉にバーゲンセールをすること。いつもなら午後6時に閉まるお店が夜10時すぎまで堂々とオープンしてました。驚いたのは、呉服屋さんの多いこと。和装小物や浴衣をかなりの安値で販売していて、通りかかった女性が次々と引き寄せられるようにお店に入っていきました。浴衣1500円とか、500円の小物とか、しかも仕入れルートがいいせいか、上品なデザインのものが数多く並んでいました。
ちなみに僕は、伊万里焼・太一郎窯製コーヒーカップとお皿など4点を買いました。白地に藍色、屏風絵のような控えめで上品なデザインに魅せられて、必要もないのに勢いがついてしまいました。お店の人も在庫を抱えたくないのか、かなりのダンピングをしてくれたようです。これぞお祭り効果。裏書きのついた桐箱に入って、7500円。鳥肌モノのお値打ちでした。
座る暇もほとんどないまま、沿道の店に立ち寄ったり、山鉾をしげしげと眺めたり。すんごい人混みで、最も混雑しているところだと、押すな押すなの状態にまでなっていて、狭い路地は一方通行に規制されていました。そんなこんなで、32基のうち、およそ半分しか見ることができませんでした。残念!
宵山は、カーレースで言うと、ピットウォークのようなもので、動く前に本体を間近にしげしげと眺めることができます。が、レースカーと山鉾では圧倒的な違いがあります。ひとつひとつの車両にまつわる伝統、文化・美術に対するこだわりです(逆に言うと、レースカーには最新技術が込められているわけです)。この行事に対する京都の人たちの心意気を直に触れることができる、とても面白いイベントでした。
明日は山鉾巡行。「動く美術館」がどういうふうに動くのか、楽しみです。
- 2005/07/16(土) 00:00:00|
- 祭り・神事|
-
トラックバック:0|
-
コメント:0