2005.03.19 Sat
会社の上司とお局様に同行する形で行きました(途中まで)。「自然の叡智」をテーマに掲げていますが、一日歩いて見た限り、村おこしの影を強く残していました。
朝9時過ぎに名古屋に着きましたが、名古屋からの万博八草までの約40分のJRは立ちっぱなしの混雑ぶり。しかも、万博八草から万博会場までをつなぐリニモは、待ち時間60分!という恐ろしさ。あまりにもアホらしくて、他の方法はないかと、リニモ待ちの列を離脱すると、「会場まで1.9キロ」の表示。およそ30分で着くと判断して歩くことにしました。なだらかな上り坂がつづきましたが、イベントへの道のりというのは、足も軽やかということもあって、まったく苦になりませんでした。
会場に着くと、またセキュリティのゲートの前で列。入るのに20分くらいはかかるでしょうか。羽田空港のゲートだってそんなにかからないのにね。ここでペットボトルと弁当の持込はバレてしまいます。でも、中に入ってもコンビニ(サークルK)やペットボトルの自販機があるので、心配は不要です。
最初に三菱未来館へ。ここには1万語を覚えるという有能なwakamaruというロボットがいるのと、巨大スクリーンIFXシアターというのがあって、大迫力の映像が見られる、と二度おいしいのではと思って近づくと、ここは「50分待ち」でした。wakamaruは大活躍でしたが、日本語のわからない客は苦しいだろうなあ。あんまり英語や中国語など外国語での説明が少なくて、画面からも字幕が出てこない。もしも月がなかったら、地球はどうなっているのか、という世界をCGで表現しているわけですが、180度以上の角度で見られるので、映画を超える迫力が感じられます。しかも後半は鏡が活用されて、画角が上下左右に広がります。映像の迫力はさておき、コンテンツ面ではどうも印象に残らない感じがしました。やはり技術は感動を呼ばない、という映像の世界の鉄則が生きてしまったようです。子供を強く意識しすぎて、読後感のないコンテンツになっていました。
続いて、グローバル・ハウスとマンモス・ラボへ。今回の万博の呼び物と言える、マンモスが最後に見られました。ここでは整理券を配って混雑に対応していました。早めにgetしないと、おそらく入れないでしょう。ここではNHKのスーパーハイビジョンが見られます。ハイビジョンよりもさらに走査線が細かいので、動物の毛の一本一本までがリアルに映ります。スーパーハイビジョンは、空からの景色や、お花畑のようなダイナミックな映像で、最も力を発揮するように感じました。VTRの最後に、子供を200人くらい集めて、テーマソングを歌わせているわけですが、子供は純粋だからいい、という打算を感じさせる出方だったので、かなり嫌悪感を感じるエンディングになっていました。イヤ〜な鳥肌がたったくらい。これまた、技術の圧勝。万人受けを狙ったコンテンツの完敗。最後のマンモスは、ゾウの復元みたいに見えましたね。列の右側に立っていると、より近くで見ることができます。
日立のパビリオンにも行きました。ここは120分待ち!16人乗りライドに乗りながら、絶滅危惧種をバーチャルテクノロジーで見せてくれて新鮮な印象。ただ、ここもメインで出てくるキャラクターは日本語オンリーの説明で英語の字幕なし。外国からのお客さんはどうするんだろ? やはり子供をターゲットにしたつくりで、内容的に読後感がないのは他の企業パビリオンと変わりませんでした。
現地の食事事情ですが、人気の企業パビリオンが多い北ゲート付近は、コンビニでも列を作らないと入れないほどの混雑ぶり。ねらい目は、北ゲートから見て奥の方の、各国パビリオン。トルコのケバブやブラジル料理など、各国料理が待つことなく屋台感覚で食べられます。それから、時間帯は午後1時以降だとさらにすいてました。僕は北ゲート近くのホテルオークラ系列店のステーキ丼(1800円)を食べました。んー、費用対効果としてはマイナス。プラスチック容器かと思いきや、バイオマスに由来していて生ゴミになったりするそうな。もうちょっときちんとPRすべきなのに。
諸外国の展示では、カナダとドイツとアメリカに行きました。ドイツはまだまだ工事中で、内容が全くわからず。ただ、6人乗りのゴンドラが、報道関係者のために動いていただけです。あと1週間を切っているのに大丈夫なんかね? 大陸的というか。アメリカは、環境となるとからきしダメなのか、ベンジャミン・フランクリンをキャラクター化して映像と椅子への振動で見せてました。ブッシュ政権のポリシーが反映されているのか、環境保護を訴えることは全くなく、人類の進歩への信頼と楽観主義が大切、と結んでいました。アメリカも経済成長が命で、環境保護は念頭になし。世界の覇権国にしては、お寒い展示内容だと言えます。
それに比べると、カナダは大人の鑑賞に堪えられるプレゼンテーションになっていました。色彩の濃淡の出し方や映像のコラージュのまとめ方がすごくかっこいい。言葉がわからなくてもいいように出来ていて、外国人客にも優しい仕上がり。ただし、言いたいことはわからなかったなあ。色彩のセンスの良さは日本にはないものですが。
最も印象に残ったパビリオンは、会場のはずれにある「サツキとメイの家」。「となりのトトロ」の主人公サツキとメイが暮らす昭和30年代の家、という設定でつくられていて、昭和初期の質素な暮らしぶりがうかがえるつくりになっていました。家の外装から内装、小道具まで忠実に再現されていて、本当に井戸で水が汲めたり、五右衛門風呂がわかせたりするそうです。日が当たる縁側は気持ちよさそうだし、ステンドグラスの入った洋館はモダン。観覧には日時指定の予約が必要だと言うことですが、もう先々までいっぱいなんだって。これが一番具体的でいいですよ。昔の文化的な暮らしぶりがよくわかります。これも外国人にはきちんと説明しないと、ただのノスタルジーに終わってしまう危険はありますが...

17時00分に内覧会が終わって、万博会場駅からリニモに乗ろうとしたところ、40分待ち、との情報がアナウンスされました。ゲートと駅の間には広場があるんですが、そこに万博八草行きと、藤が丘行きの行き先別に、長蛇の列が。一度はリニモに乗っておこうと思ったので、待ち続けましたが、結局リニモに乗れたのは18時16分!底冷えがしました。乗り心地ですが、音がそんなにしないのがいいですね。ただ東京のゆりかもめとそんなに違いを感じませんでした。それにしても、このリニモは混んでばっかりです。会場と中心街を結ぶアクセスは、リニモ以外の方法を模索した方がいいかもしれません。名古屋駅からバスがいいかも。でも渋滞が怖いか...
きょうは地元の住民やスポンサー企業関係者、メディア関係者で6万人が来場したということですが、どこへ行っても長蛇の列でした。中でもコンビニに入るのにも行列ができていたのには驚きました。パビリオンに入るのも1時間待ちが当たり前。リニモも1時間待ち。主催者の発表によると、目標来場者数は1800万人。半年の開催期間180日で単純に割ると、1日の入場者数10万人。ということは、毎日この1.5倍以上のお客が来ると言うこと? そんな単純計算はありえないとしても、それは厳しいですよ。週末や祝日は地獄ですな。
それでも万博に行きたい人のためのアドバイスとしては、1ヶ月前にパビリオンの予約が1日2カ所までできるので、最低限それをやっておくこと。それに、会場は暑い日差しや雨の時に隠れる場所は少ないので、梅雨が始まるまでの平日の薄曇りの日がベストコンディションですね。予約をしたうえで、あとは好天を祈るしかない。いや、本番は大変だ。
各パビリオンに勤める人の制服はおしゃれで立派だし、企業館をはじめとしたプレゼンテーションは映像がとても華やか。でも、会場を出た後に残る読後感のなさは、環境をテーマにした博覧会としてはお粗末と言わざるをえません。日本人、しかも子供が楽しめる仕組みが多く、世界中から来る人や、大人が楽しめる仕組みにはなっていないものがほとんどでした。つまり、深みを感じないということです。
環境への配慮や自然の叡智をテーマにするのであれば、リサイクルだけでここまで生活が成立する、というシミュレーションがあってもいいし、現地のソーラーや風力だけで動いている何かがあってもいいはず。売られているおみやげや食べ物なども、環境への配慮がアピールされていたりするといいんですが、テーマパークに来たような感じであんまりなあという感じです。
要するに「自然の叡智」をアピールしたかったけどプレゼンテーションとしては不十分で、とにかく愛知県で万博をやりたい、瀬戸市を開発したいという元々の「地元の利権」が結果として見えてきてしまう万博だと感じました。まあ結果として空港まで作ってしまったわけだしね。思想はなくて土建がある、という日本の政治の現状が図らずもあぶり出しされてしまったような印象です。
- 2005/03/19(土) 00:00:00|
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